Confidential · Employee Engagement Report
システム開発株式会社 御中
Voice of
Our People
2026
従業員エンゲージメント調査レポート
設立40周年・新5カ年中計始動を機に実施。
30名の声を対話型エンジンPOLLSで収集し、
組織の「今」と「打つべき次の一手」を可視化した。
Survey Period 2026.02.27 – 03.09
Respondents 30名(5グループ)
Conducted by curioph inc. / POLLS
Overall Engagement Score
52.7/100
※ POLLS ENGINE 本音スコア平均(30名)
30
分析対象
回答者数
5
グループ区分
(G1〜G4・契約)
12
勤続16年以上
在籍者数
45.6
G4スコア
(最低グループ)
Section 00

エグゼクティブサマリー

30名の声から浮かび上がった「組織の強み」と「抱えるリスク」。それぞれ3点ずつ、因果関係とともに整理した。

強み(Strengths)
1
人・雰囲気
「人の良さ・アットホームさ」は
全グループ共通の揺るぎない資産
「優しい人が多い」「人は最高にいい」「風通しが良い」という声が年代・グループを問わず一貫して出現。意識せずして育てた組織文化が、採用競争力と定着の土台になっている。
2
変化の実感
「以前より良くなっている」という
変化への手応えが複数確認された
リノベ・若手増加・風通しの改善など、会社が過去に打った施策の効果が確実に伝わっている。「改善を感じ取れる感受性」は施策投資の成果が届く組織である証拠。
3
やりがいの源泉
現場にやりがいの芽はある。
伸ばす設計ができていないだけ
「お客様に感謝された」「技術的問題を一人で解決できた」「新規案件が受注できた」——個人のやりがい体験は全グループで観測。エンゲージメントを高める素地は現場に存在している。
リスク(Risks)
1
評価制度
評価制度が機能不全。貢献した人ほど
不信を深め、消耗している
「頑張りをPRしないと気づけないこと自体が終わってる」「頑張った人が損をする」という声がG2・G4に集中。長く貢献してきた人材ほど疲弊と不信が強く、放置すれば最もコストの高い離職につながる。
2
疲弊・属人化
G4・G3の中核人材が限界に近い。
5年後の空洞化リスクが迫っている
「半年間記憶がないほど忙しい」「マネジメントしながら現場もしている」——組織を支えるはずの層のスコアが最低(G4:45.6)。16年以上勤続者12名のうち11名が退職リスクゾーンに入りつつある。
3
心理的安全性
「アットホームさ」の裏に、
本音が言えない同調圧力が潜む
「定時になっても帰らない人が多い」「言いたいことが言える環境かというとそうでない」——良い雰囲気が本音を飲み込む文化にもなっている。不満がサーベイのスキップや回答拒否という形で表出した。
▸ 強みとリスクの対応関係 — 同じ現象の表と裏
STRENGTH 01
人・雰囲気の良さ
STRENGTH 02
変化・改善の実感
STRENGTH 03
やりがいの芽の存在
同じ現象の
表と裏
努力が正しく
届いていない
伸びる前に
摘まれている
RISK 03
同調圧力・心理的安全性の欠如
RISK 01
評価制度への不信・無力感
RISK 02
G4・G3の疲弊と属人化
Section 01

回答者プロファイル

今回の分析対象30名の属性分布。グループ・年代・勤続・役職の4軸で整理した。

グループ別
G1 担当員10名
G4 次長・SE・EX8名
G3 MG6名
G2 S4名
契約社員&嘱託2名
年代別
40代9名
10〜20代8名
不明5名
30代5名
50代以上3名
勤続年数別
16年以上12名
不明11名
1年未満4名
1〜3年2名
4〜7年1名
役職有無
役職あり16名
役職なし13名
不明1名
Section 02

エンゲージメント全体像

全体スコア52.7はクライアント仮説「満足度50%前後」と一致。グループ間の差異に注目。

Group Engagement Scores
G2 S 60.0
個人差が最大(40〜80の開き)。優秀層と批判層が同居。
G1 担当員 56.0
雰囲気評価◎・制度不満は少ない。定着の鍵を握る層。
契約社員&嘱託 55.0
2名のみ。個別フォローが必要な水準。
G3 MG 50.8
業務過多・情報共有不全がスコアを押し下げている。
G4 次長・SE・EX 45.6 ⚠
最低スコア。疲弊・組織不信・評価不満が集中。最優先対応層。
全体平均 52.7/100
エンゲージメント4象限マッピング
← 満足度高
満足度低 →
コア層
G1
G2
G3
G4
⚠️
潜在離職リスク
G2
G4
🔍
観察層
G1若手(入社1〜3年)
が多数。様子見中。
🚨
要対応
「頑張った人が損をする。
会社が考えていると
感じない」
↑ 定着意向あり   ↓ 定着意向不明・低
Section 03

4つの声のテーマ分析

30件の会話ログから抽出した主要テーマ。表面の言葉の裏にある深層心理まで踏み込んで分析した。

1
Engagement Driver
やりがい・手応え
やりがいの主軸は「お客様からの感謝」と「技術的成長の実感」。しかし「与えられた仕事をこなす日々」「普段通りで達成感なし」という受動的な声も混在し、2つの層が存在する。主体的なやりがいを引き出す設計が組織全体に行き届いていない。
お客様からの問い合わせに対して、迅速に対応できたとき達成感を感じる。
— G1担当員
普段通りで大きな達成感はありません。
— G4次長
2
Critical Issue · 最重要テーマ
評価・人事制度への不信
「成果を見せなければ評価されない」という構造的な問題が、長期在籍の中核人材ほど深く刻まれている。評価制度は「誰のためにあるのか」という不満は、単なる処遇の問題ではなく、会社への帰属意識そのものを侵食している。クライアント仮説と85%一致。
頑張りをPRしないと気づけないこと自体が終わってる。
— G2
頑張った人が損をするような状況。会社が考えていると感じない。
— G4次長
⚠ 中核人材の離職につながる最優先リスク
3
Culture / Hidden Risk
職場環境・雰囲気(強みの裏側)
「アットホーム・優しい人が多い」という評価は全グループ共通の強み。しかし裏返すと「定時になっても帰らない」「言いたいことが言える環境かというとそうでない」という同調圧力・心理的安全性の問題が顔を出す。雰囲気の良さが本音の抑圧装置として機能している構造。
福利厚生、仕事環境、人は最高にいいところだと伝えます。ただ業務の幅はせまいと感じます。言いたいことが言える環境かというとそうでない気はします。
— G4次長
良いところとしては会社の雰囲気が良く、優しい人が多いところで働きやすい。悪いところは、定時になっても帰らない人が多いところ。
— G1担当員
4
Career / Future Anxiety
将来・キャリア不安(年代で逆転する課題)
若手(G1)は「もっといろんな仕事をやりたい」「業務の幅が狭い」という機会不足を感じている。一方の長期在籍層(G3/G4)は「引き継ぎが難しい」「新しいことへのチャレンジができていない」という過負荷と出口のなさを訴える。成長ステージで課題が真逆なのが、この組織の構造的特徴。
もっといろんな業務を任せてほしい。自分が何をしているか把握している人が少ないと思う。
— G1担当員(入社1年未満)
この半年ぐらいは忙しすぎて記憶がないですね。担当業務の見直しを行い、管理に関する業務の割合を増やす必要があると考えています。
— G4次長
Section 04

グループ別インサイト

グループごとに声のトーン・主要シグナル・対応優先度を整理した。

グループ スコア 主要シグナル リスクレベル
契約社員&嘱託
2名
55.0 「給与に見合わない」「社員への遠慮がある」など処遇・断絶感の声。小数のため個別フォローが有効。
G1 担当員
10名
56.0 「雰囲気良い」「成長中」が主流。制度不満は顕在化していないが、業務の幅の狭さに潜在的なフラストレーションあり。定着の鍵を握る最重要層。 低〜中
G2 S
4名
60.0 最も批判的な声が集中(スコア40〜80の大きな開き)。「チームには問題なし、部に問題あり」という構造認識は鋭い。組織設計の問題を直接指摘している。
G3 MG
6名
50.8 「雑用が多すぎて本業に集中できない」「人員不足で新しいことに挑戦できない」「本社からの情報共有が少ない」。現場とマネジメントの間に挟まれた疲弊感が顕著。
G4 次長・SE・EX
8名
45.6 「マネジメントしながら現場もしている」「半年間記憶がない」「組織改革が必要」「頑張った人が損をする」。最低スコア。組織改革の担い手が最も消耗しており、最優先対応が必要。 最高 🚨
Section 05

仮説とのマッチング

事前に設定されたクライアント仮説と、実際の声との照合結果。

Match Rate
95%
仮説:「満足度は50%前後」
実測スコア52.7。POLLSエンジンの本音スコアが仮説をほぼ完全に裏付けた。数字の一致よりも「なぜ50%台に留まるか」の構造的理由が今回の最大の収穫。
Match Rate
80%
仮説:「アットホームな雰囲気・上司が優しい」
全グループで確認。ただし「上司が優しい」については「入社時より上司が厳しくなった」という声もあり、グループ・時期によってニュアンスが異なる。
⚡ 想定外:「優しさ」が同調圧力と心理的安全性の欠如という裏の顔を持つことは仮説外だった。
Match Rate
85%
仮説:「誰のための人事制度か分からない」
予想より強い批判として出現。特にG4・G2に集中しており、長期在籍・高貢献者ほど不信が深い。制度への不満が帰属意識の低下に直結している点が今回最大の危険信号。
⚡ 想定外:G4の疲弊度の高さと若手の「業務拡張意欲」の強さは、仮説を大きく上回るシグナルだった。
Section 06

HRプランニング示唆

声から見えた組織課題を、コスト・リスク・ヘッドカウントの数字に落とした。新5カ年中計の人事KPI策定に活用いただきたい。

⚠ 給与水準は宮崎県IT企業相場(求人票・厚労省統計参考)を使用した試算値です。実数値への差し替えにより精度が高まります。社会保険料は会社負担15%(健保・厚年・雇用・労災概算)、賞与は月給×4ヶ月で計算しています。
平均給与(社保含む)× 人数コスト
グループ 人数 月給(想定) 月額 / 社保込 年間コスト / グループ
契約社員&嘱託 2名 ¥220,000 ¥253,000 ¥8,096,000
G1 担当員 10名 ¥270,000 ¥310,500 ¥49,680,000
G2 S 4名 ¥320,000 ¥368,000 ¥23,552,000
G3 MG 6名 ¥390,000 ¥448,500 ¥43,056,000
G4 次長・SE・EX 8名 ¥480,000 ¥552,000 ¥70,656,000
合計(30名) 30名 ¥12,190,000 / 月 ¥195,040,000 / 年
1名あたり平均年間コスト:¥6,501,000
5年以内 退職リスク層と採用代替コスト
50代・16年以上(定年リスク)
3名が5年以内に
定年退職見込み
¥4,320,000
採用代替コスト概算
(月給×3ヶ月×3名)
40代G4・疲弊シグナル強
5名が組織不信・
離職シグナル状態
¥7,200,000
採用代替コスト概算
(月給×3ヶ月×5名)
40代G3・業務過多
3名が「これ以上は限界」
という疲弊水準
¥3,510,000
採用代替コスト概算
(月給×3ヶ月×3名)
放置コスト(採用代替合計)
これはエンゲージメント改善施策のROI根拠として使える数字
¥15,030,000
理想ヘッドカウント提案(中計5年シナリオ案)
現状:G1担当員10名 / G2 S 4名 / G3 MG 6名 / G4次長8名
課題:G4の過負荷・G3の人員不足・若手比率の低さ・属人化
G1 担当員
若手補充・定着率向上
採用
+2〜3名採用。業務拡張意欲が高い若手の受け皿を増やし、G3・G4への知識移転も促進する。
+¥12,420,000/年
G3 MG
過負荷解消
採用
+1〜2名。雑用の引き受けと業務マネジメントの分散が目的。「本業に集中できる」環境が最低限の施策。
+¥10,764,000/年
G4 次長・SE・EX
マネジメント専任化
配置転換
採用不要。マネジメント専任化により現場兼務を解消。現場業務はG2・G3への移管で対応する。
追加コスト¥0
総追加投資
退職リスクコスト¥15,030,000との比較でROI提示可能
¥23,184,000/年
HR KPI設定案(新5カ年中計向け)
KPI指標 現状 1年後目標 3年後目標
全体エンゲージメントスコア 52.7 +10pt +20pt
若手(入社1〜3年)定着率 未計測 計測開始 85%以上
評価制度満足度 低(調査より) 50%以上 70%以上
G4エンゲージメントスコア 45.6 +10pt +15pt
Section 07

施策提案

「声から見えた深層心理」と「達成したいゴール」を因果的に結びつけた3つの施策。優先度順。

Priority 01 · 最優先 · 即時着手
評価制度の透明化・再設計
Goal
定着率向上・中核人材の離職防止・HR施策KPI策定
顧客心理
「頑張っても見てもらえない」という無力感が特にG4・G2に蓄積。この不信を放置することが、採用代替コスト¥15,030,000の主因になる。
打つべき戦略
① 評価基準の明文化(何が評価されるのかの可視化) ② 1on1の月次制度化(成果を上司に届ける仕組み) ③ 成果の可視化ダッシュボード導入(セルフPRの仕組みを制度化)
声の根拠
「頑張りをPRしないと気づけないこと自体が終わってる」「頑張った人が損をするような状況」
Priority 02 · 緊急 · 6ヶ月以内
長期在籍層の業務棚卸し・引き継ぎ計画の策定
Goal
5年後の組織空洞化リスクの回避・属人化の解消
顧客心理
「引き継ぎが難しい」という声は「誰も聞けていない・頼めていない」属人化の放置を意味する。このまま16年以上在籍者が退職・離職すれば、業務そのものが消失するリスクがある。
打つべき戦略
① 業務マップの全件作成(誰が何を持っているか可視化) ② G4からG1・G2への知識移転プログラムの設計 ③ G4のマネジメント専任化による現場負荷の移譲
声の根拠
「再雇用の方の業務を若い方にも担当してもらう必要がある」「自分が何をしているか把握している人が少ない」
Priority 03 · 中期 · 1〜2年
若手の業務拡張機会の設計
Goal
若手定着率の向上・将来の中核人材パイプラインの構築
顧客心理
若手の「もっといろんな仕事をやりたい」という意欲は定着リスクではなく、正しく設計すれば組織の強みになる。この意欲に応えないことが数年後の離職につながる。
打つべき戦略
① 部門横断プロジェクトの設置(他部署を知る機会の創出) ② 社内公募制・ジョブローテーションの試行 ③ 資格取得支援制度の拡充(「資格を取るために勉強したい」という声に応える)
声の根拠
「もっと色々な仕事を任せてほしい」「社内の他の人の業務を知ってみたい」「AIや開発したソフトを使ってデザイン系の仕事もしてみたい」
Section 08

重要キーワード

POLLS ENGINEが30件の会話ログから抽出した頻出・重要キーワード。

頻出単語 TOP5
1
営業
12回
2
上司
8回
3
評価
7回
4
やりがい
6回
5
雰囲気
6回
重要キーワード TOP5(分析上の重要度)
1
評価制度
最重要
2
属人化・引き継ぎ
3
業務過多・過負荷
4
キャリア不安
5
心理的安全性